暮らしの中にオリーブを。

牛窓オリーブ園スタッフが考える、こだわりのオリーブ栽培

2016.12.28

日本でのオリーブの栽培


 もともとオリーブは中東を原産地としている植物で、日本で本格的な栽培が始まったのは、明治12年(1880年)頃からです。
元々日本で自生していない。というのも大きな理由ではあるかもしれませんが、5000年以上の歴史を持つオリーブも、日本では近代まであまりなじみのない植物でした。

 現在オリーブは、小豆島(香川県)、牛窓(岡山)、天草(熊本)など西日本を中心とした温暖な気候の中で育てられています。また、静岡などその他の地域でもオリーブを植える活動が広まっているようです。

 では、オリーブを日本で育てるのは難しいのでしょうか。牛窓オリーブ園のオリーブ栽培の様子を見ていきましょう。

牛窓でのオリーブの栽培


 オリーブ栽培に必要なものは、一番に日光です。
牛窓は「晴れの国おかやま」の南東に位置し、晴天に恵まれやすい土地です。
牛窓は「日本のエーゲ海」とも呼ばれており、地中海に似た温暖な気候と日照時間の長さは、オリーブ栽培に適しているといえます。

 しかし日本特有の台風・梅雨・秋の長雨・酷暑・湿度などの天候条件は存外オリーブにとって過酷です。

 その中でも、特に厳しいのが台風の時期です。
オリーブは根を浅く張るため風に弱く、5mくらいの樹でも台風の強風で枝がぽっきり折れてしまうことがあります。
オリーブの樹を守るため、台風が近づいてきそうな場合はまだしっかりと根が張っていないオリーブに支柱を立てるなど対策を行い、被害の減少に努めています。

 最近では、オリーブビューロと呼ばれるオリーブのプロをイタリアからお呼びし、イタリア式のオリーブの剪定や育て方のポイントを教わっています。
左の写真も、その過程で剪定されたオリーブです。切りすぎかな?と思うのですが、オリーブは生命力の強い樹なので、これくらい切ってしまわないといけないこともあるそうです。

 日本でオリーブを育てる上で、厄介なのがオリーブアナアキゾウムシです。
日本以外の地域では確認がされていないのに、何故かオリーブを好んで食べるという謎の生き物です。一時期ネットでも、「オリーブが日本で栽培され始めるまではいったい何を食べていたんだ・・・」と話題になりました。
2cmほどの小さな体ですが、幼虫はオリーブの樹の幹を食べ、オリーブの樹を枯らしてしまいます。昔、牛窓オリーブ園を壊滅状態近くまで追い込んだこともあるそうです。
そのため特にこのゾウムシに関して対策を怠らず、年に数回、園内約2,000本の樹を1本1本調査しています。

おいしいオリーブオイルのために


 オリーブは、もともと1つの品種だけでは実がつきにくいという特徴があります。
そのため最初にオリーブが植えられた牛窓オリーブ園の1号園にも、ネバディロ・ブランコやミッションなど、数種類の品種があります。
けれども、牛窓オリーブ園で複数の品種が育てられている理由はそれだけではありません。複数の品種を育てることで、出来上がったときのオイルに深みが出るからです。

 単一品種と複数品種のオリーブオイルというものを聞いたことがありますでしょうか。
オリーブは品種によって味の特徴が異なります。苦味や渋みの強いタイプから、香りの強いものやマイルドなものまで、様々です。

 単一品種のオリーブオイルは、一つの品種のみから得られるオリーブオイルのことです。それぞれのオイルの特徴が際立っており、好みが分かれることが多いです。
そして、複数品種のオリーブオイルとは、様々な品種のオリーブオイルをブレンドしたものです。味の辛味、香り、苦味、甘みなど特徴の異なるオイルをブレンドするため、味に深みがでて奥行きのあるオリーブオイルになることが特徴です。

 日本オリーブでは、豊かでフルーティーな香りと適度な苦味と渋みあるオリーブオイルらしいオリーブオイルをおいしいオイルと自社内で定めました。そして、牛窓オリーブ園産のものに関しては、味に深みを与えるため、複数品種をブレンドして製造しています。
オイルは品種ごとで搾り、品種ごとや数種のブレンドの味をテイスティング担当が実際に味を見て決定します。そしてその結果を元に、適正にブレンドを行っています。

 日本オリーブと牛窓オリーブ園では現在でも、さらにおいしいオイルと牛窓の土地に適したオリーブオイルを求めて、オリーブの研究・栽培に力を注いでいます。

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瀬戸内のエーゲ海、牛窓オリーブ園へ

瀬戸内の美しい島々を見渡す丘にある「牛窓オリーブ園」がわたしたちの活動拠点です。約2,000本のオリーブが茂る園内にはハーブ園や幸福の鐘の丘などがあり、家族でくつろげる観光スポットとしても知られています。山頂にあるショップには当店で販売されている化粧品、食品、オリーブの鉢植えなどが並び、展望台からは周囲の景色をぐるりと360度眺めることができます。初夏に咲く白いオリーブの花、秋に色づくオリーブの実、そして年に一度、大勢のお客様でにぎわう収穫祭と、四季折々の表情を楽しんでいただけます。

オリーブの木
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